私とクラフト・エヴィング商會

先日のクラフト・エヴィング商會の「ないものあります」の感想が納得いかないわけではないですが、ブログなのでたまには自分語りのような物をしてみようと思います。

私がクラフト・エヴィング商會にであったのはまだ学生だった頃、
弟が図書館で借りてきた「ないものあります」を何気なく手に取った時でした。
ページをめくるたびに、言葉遊び的なすてきな品々の踊る世界観に酔ったものでした。

その後、自ら図書館へ足を運び、「らくだこぶ書房」「どこかへ行ってしまったものたち」「ミルリトン探偵局シリーズ」などを次々と読んでいきました。
クラフト・エヴィング商會の本はこった作りの物が多く、学生の間は手を出すのはたいへんだったのを覚えています。

そういえば、未だにミルリトンを食べたことがありません。
世界で一番美味しいお菓子だそうですが、いつかは真のミルリトンを食べてみたい物です。

その後、少ないお小遣いで「テーブルの上のファーブル」などを読みながら密やかに、ファンを続けていたのです。
もちろん、吉田篤弘先生名義の小説も読みました。「つむじ風食堂の夜」は名作過ぎます。

そういえば、私がファンになってからはクラフト・エヴィング商會名義よりも吉田篤弘先生の本の方がたくさん出ているような。

クラフト・エヴィング商會の何がいいか?
それは言葉にすることがとても難しいです。無理に言葉にするならば、言葉が、世界が懐かしい。
別にたいした年を生きているわけではないですが、郷愁とは違う懐かしさを感じさせてくれます。
その懐かしさを感じたくて、いまもページをめくっているのかもしれません。
未読の方は、一度、ページをめくってあの空気を感じてみて欲しいと思います。