09シーズン総括

明日にもノムケン監督が就任と言うことで、この秋から来期のチーム作りが始まるわけですが、その前に今シーズンを振り返っておこうと思います。

ブラウン監督の4年間は立て直しの4年間であり、投打ともに疲弊した状態をよく立て直してくれたと思います。
一部選手の優遇や不可解な采配もありましたが、実績も経験も足りない若手に、1軍の舞台での経験を与え、そして自信をつけさせ課題を与えてくれたのは、今後の財産になってくるはずです。


・投手編
先発の球数制限がよく問題視されてはいますが、ルイス、大竹、前田健あたりは、状況に応じて球数を投げさせてはいるんですよね。
それにイニング消化という意味では、早期KOが少かったことからも、シーズン全体を見ると効果がありました。
何度か離脱はありましたが、シーズンの頭からルイス、大竹、前田健、そして齊藤と、4人のピッチャーがローテで回り続けたことは意味があるでしょう。
また、シーズン終盤の今井の頑張りが光りました。思った以上にストレートで押すピッチングができており、来期のローテーション入りの期待がふくらみます。
その分リリーフへのしわ寄せが……とも言いますが、これは梅津、シュルツ、横山以外に信頼が持てなかったのも一因。
昨年活躍した上野が誤算だったのかもしれません。林、青木勇も対左という致命的な弱点を持っているだけに、やはりブルペンのバランスも大切なのかもしれません。
シーズン中盤からは小松をセットアップ前のポジションにしたかったのだと思うのですが、投げるまでどうなるか分からない不安定さを払拭することはできませんでした。
そういう意味では左投手。青木高と篠田のうち、どちらかはリリーフに回ることが予想できます。
また、広池が復帰できそうです。「困ったときの広池」という言葉もありますが、今シーズン本当に困ったときに、彼の名前をコールすることはできませんでした。
そういう意味では、非常に大きいですね。


・野手編
走塁に賭けきれなかったのが最大の敗因のような気がしてなりません。
シーズン当初は梵、東出、天谷、赤松がいい場面での盗塁走塁を決めていたのですが、天谷の離脱あたりから、だんだんとその傾向は薄くなってしまいました。
もちろん、梵や赤松の打撃が今ひとつ結果を残せなかったというのもあるのですが、やはりマクレーンとフィリップスの併用が影を落としてしまった気がします。
これは守備面にも大きく影響していますね。
広い広いマツダスタジアムを本拠地とするならば、走塁と守備で勝負するチームをつくる必要があるのです。
特に外野守備は俊足や強肩など広いフィールドに求められる要素を持っている選手でなければいけません。
そういう意味では、昨年ファームの盗塁王であり、今シーズンたびたびチームを救う打撃を見せた末永、超攻撃的プレーが魅力の天谷、強肩堅守の廣瀬、俊足堅守の赤松の4者を軸に来期の外野陣を編成して欲しいものです。
内野はやはり東出ですね。内野の要、打線の要としてよくやってくれました。
小窪もタクロー効果で着実に守備が上手くなってきており、梵もこのまま黙っているとは思えません。
とはいえ、内野手はまだまだグラウンドに翻弄される姿があったのも事実。
芝生が根付くとともに、堅守も根付くといいのですが。
捕手はやはり石原が打撃で迷い続けたのが誤算でした。WBCの影響か、昨年よりフットワークが重く、昨年なら止めていたようなボールをはじく場面もありました。
キャプテン指名が石原起用の偏りを招いてしまっていた気もします。せっかくカープには倉というすばらしいキャッチャーがいるのですから、今シーズンに限れば併用をもっと強めた方が結果が良くなったかもしれません。
もっとも、石原不調、倉体調不良の時期に會沢を試すことができ、そして結果を残してくれたのはうれしい副産物といえるでしょう。


なんか脈絡無く長文書き連ねてしまいましたが、今シーズンのカープにはいろいろ足りないところがありました。
一発長打は魅力的ですが、それを期待するために必要な選手だけではこの球場では戦えないのです。スピードが必要です。
まだまだ、走塁面、守備面では甘さがあるのでしょう。
でも、それは補うことのできないものではありません。
野村監督にはぜひ、そのあたりを改善して、来期の栄光を目指して欲しいものです。